モリモ・ペストリー
オーナーシェフ
森脇順子

●わんぱく子ども時代

私は引っ込み思案な子どもでした。
でも男の子のようなわんぱくな子で、いつも外で飛んだり跳ねたり。
意外に思われるかもしれませんが、親の反対押し切って中学まで柔道やってたんです。
親はもっと女の子らしくって思ってたんでしょうけどね。
手先は不器用だし、ケーキをつくろうなんて思ったこともなかった。
ただ食べることだけは好きな子でした(笑)
●好きなことなら人前に出られる
大きくなっても引っ込み思案な性格はそのまま。
なのに高校に入ると、バンドブームの中でガールズバンドのボーカルやってました。
おしゃべりは苦手だから曲間は引っ込んで、歌の時だけ全面に出て(笑)
そんなことだから就職しても接客は絶対無理。普通の事務職OLだったんです。
いまケーキ作りの教室で喋りながら指導してるのが不思議なくらい。
バンドボーカル時代もそうだけど、好きなことだったら人前に出ても平気でいられるんですね。

●素人プリンが本職に
食べることは好きだけど、スイーツをつくろうなんてこれっぽっちも思ってなかった私。
転機は飲食業をやっていた主人と結婚してから。
なにかスイーツとかも自前で出したいねってことで、
「プリンくらいならできるかも」と、手伝いはじめたのがスタートでした。
でもそんなプリンが評判になって、あちこちからオーダーいただくように。
そこからプリンの専門店「モリモプディング」が誕生したんです。
それが36才の頃ですから、考えたら私のキャリアってまだ10年ちょっと…(^_^;)

●コンプレックスから逆転発想
お菓子の専門学校にも行ってない、店に入って修業もしていない。
ましてや男性社会の洋菓子界で35才を過ぎた女性なんて見向きもされません。
私には“修業をしていないコンプレックス”みたいなものがありました。
でも修業していないからこそ、先入観がないからこそ、
新しいものができるんじゃない?って考えたんです。
そう、視点を変えたわけですね。
日本でなかなか学べない、完全アウェー状態の私がそこでとった策は、
「日本で学べないなら海外で!」という計画でした。
●庄原移転を転機に
6年前の2014年、広島県北の庄原に移転オープンしました。
洋菓子店として基本ができてないままの実店舗スタート。
普通20歳ぐらいから修業を重ねて15年くらいでオープンできるかどうか…なのに、
オープンしてしまった。しかも女で…(^_^;)
私は、日本の洋菓子界というか、従来のケーキ屋さんとの違いを見つけ出して、
“モリモは何か違う!”ということをやりたかったんです。
私は既存のルートで学ぶ人ができないことを、海外に飛び出して学ぶことで活路を見出しました。
そこで得られたノウハウは、
これを持って帰れば勝負できる…まさに“見つけた!”というものでした。
●進化が続く洋菓子の世界
日本の洋菓子界って、フランスの次にランクされるくらいの伝統と実績のあるものです。
逆に言えば、洋菓子はこうあるべきというセオリーも確立されてる。
そこにいくと、韓国や中国・台湾などは後発。
だからこそ、ノウハウの吸収には貪欲だし固定観念もない。
そして日本に追いつけ追い越せとばかり、世界最高峰のシェフたちを招聘し、
急激に実力つけてるんです。
私はそこに飛び込んでいくことで、
日本では得られないキラ星のような世界の最先端ノウハウやデザインを体感し、
斬新な素材使いや器具に出会えました。
モリモでは、それに日本の優れた素材と和の感性を融合させることで、
さらに独創的な世界を創りたいと考えています。
●教えるって楽しい
教えるって楽しいことだと気づいたんです。
もしかしたらケーキをつくることより好きかもしれない。
それも既存の菓子教室とかと違う手法と結果をご提供したいのです。
パティシエ経験がないとか遅く始めたからとか、
そんなことで挫折せずに海外のノウハウが学べる場所があればいいなと思われませんか?
例えば、カフェを出したい主婦の駆け込み寺のように。
そうした方々に信頼していただくためにも、
実店舗で自分の作品を商品として販売していることがとても重要と考えています。
当然ネットショップは広範囲に商品を紹介しご購入いただくための道具ですが、
モリモの森脇順子を広く知ってもらうためでもあるんです。
●モリモの夢
なぜ「モリモなの?」って思われました?
私の旧姓は森本で、ずっとニックネームがモリモだったんです。
そして結婚して森脇に。
なんだかずっと森に縁がある(笑)
さらに今は庄原という自然豊かな“森”に移住してケーキをつくっています。
モリモはここを基点に日本国内そして海外まで、森の波紋を広げたいと思っています。
世界(アジア)に出向き、お菓子づくりを教えていくための受け皿づくりと
仲間ネットワークを創り上げたいのです。
世界から最高の先生を呼び、学び・体験できるスタジオを各地につくる。
それも既存の教育スタイルでなく、主婦でも途中参加でもOKな学校。
ね、素敵だと思われませんか?
どうか応援・共感くださり、いつの日かお仲間に加わってくださる日を楽しみにしています。